2026.10.09
上海市「全口径城鎮単位就業人員平均工資」— 2025年度は月12,577元
上海市統計局が公表する「全口径城鎮単位就業人員平均工資(社会平均工資・社平工资)」は、2025年度の月平均が12,577元(年間150,924元)と発表され、2026年7月1日からの社会保険(社保)納付基準の上限・下限を決める公式指標となっています。日本企業の駐在員や現地採用の人事・労務を扱ううえで、毎年押さえておきたい数値です。
税引前の額です
平均工資は、所得税や個人負担分の社保料を差し引く前の報酬ベースで集計されます。基本給に加え、賞与・各種手当・残業代・物価補助などが含まれます。一方で、福利費や労働保護費、創造発明賞などは含まれません。手取り額より大きく見えるのは、このためです。
上海市の推移(直近)
| 年度 | 月平均(元) | 年平均(元) | 主な適用期間 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 12,577 | 150,924 | 2026年7月~ |
| 2024 | 12,434 | 149,208 | 2025年7月~ |
| 2023 | 12,307 | 147,684 | 2024年7月~ |
| 2022 | 12,184 | 146,208 | 2023年7月頃~ |
| 2021 | 11,396 | 136,752 | 2022年7月頃~ |
| 2020 | 10,338 | 124,056 | 2021年7月頃~ |
※社保実務上の「年度」は、公表された前年度の数値を、当年7月~翌年6月の納付等に用いることが多いです。2026年度分の新数値は、例年どおり2026年7月頃の公表が見込まれます。
算出方法
基本式は次のとおりです。
平均工資 = 報告期間の工資総額 ÷ 報告期間の平均就業人数
分子となる「工資総額(賃金総額)」は、基本給だけではなく、事業所が就業者に支払った報酬の合計です。所得税や個人負担分の社保料を天引きする前の金額でカウントされます。
| 含まれるもの | 含まれないもの |
|---|---|
| 計時・計件賃金(基本給) | 福利費(医療費、補助金など) |
| 賞与・各種手当 | 労働保護費 |
| 超過勤務手当 | 創造発明・技術改善賞 |
| 物価補助、その他の賃金 | 国家・省・市の規定による特別手当 |
- 各事業所が賃金台帳に基づき、毎月「賃金総額」と就業人数を報告します
- 都市部の非私営・私営それぞれで集計し、全体として「全口径」を公表します
- 分母は月末在籍者数ではなく、日次在籍の平均(月平均人数の年間平均)を用います
社保以外に使われる場面
- 経済・政策:地域の所得水準、最低賃金見直し、労働・産業政策の参照
- 裁判・損害賠償:交通事故・労災等の慰謝料・逸失利益の算定基準
- 年金・失業:養老保険の計算、失業手当の上限、最低保障の調整
- 行政・資格:戸籍(落戸)要件の収入基準、助成金・優遇の条件
- 企業人事:給与テーブルのベンチマーク、残業代・労務トラブル時の目安
駐在員・人事担当者へのポイント
契約給与が社保の上下限を超える、または下回る場合、実際の納付基数は37,731元/7,546元の枠内に収まるよう調整されます(2025年度社平適用時)。給与設計、手取りのシミュレーション、赴任前の説明では、社平の更新タイミング(毎年7月前後)をカレンダーに入れておくことをおすすめします。
出典:上海市人力資源和社会保障局・上海市統計局の公表、国家統計局の賃金統計制度説明等をもとに、明友电脑系统が整理しました。個別の社保算定や法務判断については、専門家へのご確認をおすすめします。
